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夜間中学、外国籍8割超す 文科省調査 生徒1498人

 義務教育を修了していない人らを対象にした夜間中学に在籍する外国人は1498人で、全生徒の8割を超えたことが8日、文部科学省の調査で分かった。外国人向けに、独自の日本語テキストなどを用意する学校も4割に上った。文科省は「外国人の学びの受け皿の一つになっている」としており、全都道府県に夜間中学を設置したい考えだ。

 調査は2014年9~12月に実施。都道府県や市区町村の教育委員会を通じ同年5月1日時点の人数などを聞いた。外国人生徒の人数に加え、国籍やサポート体制などについても初めて調べた。

 公立の夜間中学は東京都や大阪府兵庫県など8都府県に計31校。在籍する生徒は計1849人で、うち81%にあたる1498人が外国人だった。00年から13年まではいずれも70%台で推移していた。国籍別では中国が799人、韓国284人、ベトナム101人とアジア圏の出身者が大半だった。

 日本に働きに来ている外国人労働者や家族が多いとみられる。入学理由は「日本語が話せるようになるため」(31%)や「読み書きができるようになるため」(28%)で、約6割が日本語の習得を目的に挙げた。

 こうしたニーズに対し、漢字練習帳など日本語テキストのような教材を特別に使用している夜間中学は14校(45%)あり、日本語指導が必要な生徒に対する特別の教育課程を編成したり実施したりしている学校も13校(42%)あった。

 夜間中学は学校教育法施行令に基づき市区町村が設置するが、義務ではなく各自治体の判断に任されている。予算面などの理由から設置を見送る自治体は多く、夜間中学がない地域ではボランティアらが運営する「自主夜間中学」や、識字講座が開かれている。

 今回はこうした機関の実態についても初めて調べた。その結果、約300カ所で約7400人が学んでいることが分かった。

 10年の国勢調査では義務教育の未修了者が外国人を含め12万人以上いるとされる。夜間中学の教員らでつくる全国夜間中学校研究会などは学校が不足しているとして、未設置の県の教育委員会に設置を求める要望書を提出している。

 文科省の担当者は「外国人や不登校だった生徒など、潜在的なニーズは高い」として、各都道府県に1校ずつ設置できるよう、財政支援や広報活動に力を入れる方針だ。